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Book Guide for Rusties 2002/10

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A: 殿堂入り 5: 読め, 4: まあ面白い, 3: お好きに, 2: つまらん, 1: 金の無駄

10月

佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく(3)」講談社
面白い。

あっさり外科編が終わってしまって、 未熟児病棟へ
こ、これは読むのがキツイ系に。

なお、少ない入院経験だが(大学付属病院)、
そのとき見聞きした様子は、この漫画のような状態を裏付ける ようなものばかりだった(外科編)。

この漫画家も化けた感じで、
前作の 「海猿」は、 少し泥臭いけども感情表現もうまい絵なんだけども、 いまいちな感じがしたのだが、 今回は物語運びがうまくなっている気がする。

(どこがと言われるとうまく言えないところが素人ですみません)

高木徹「戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争」講談社
面白かった。
ボスニア・ヘルェゴヴィナのPRを請け負った米国のPR会社の話。 世論ばかりではなくマスコミ・政治家・国連までを含め、 世界中の反セルビア気運を注意深く高めていった内幕は大変 興味深い。旧ユーゴ関連に関しては注意深く受け止めていたつもり だが、あの強制収容所(といわれる映像)の鉄条網については この本を読むまで知らなかった。突然現れた「民族浄化」という 言葉についても効果的にしかも注意深くキャンペーンを広げていった 結果らしい。

本筋とは少し離れているが、ロンドンのボスニア和平会議での 新ユーゴスラビア連邦首相とセルビア大統領のやりとりのところが、 凄い緊張感があった。

「戦争プロパガンダ10の法則」でも 思ったが、素人には、もしくは当事者には本当のことは結局わからない というのはよくわかった。 なぜならこの本そのものも、巧妙に仕組まれたセルビア側のPR企業の 戦略の上にまんまと載ってしまった結果ではないと、 いったい今の時点でどうやって私に言い切れるだろうか(悪文)。
なんて。

桝山寛「テレビゲーム文化論」講談社現代新書
インベーダーゲーム発祥が小学生のころで、間をおいてドラクエ2以降は リアルタイムで体験している人間からすると、前半はかなり退屈だ。 論の後半のゲームの未来像は肉体の延長・対象の現実化として、 ASIMO/AIBOとつなげているところが、というかゲーム文化の延長として 擬人(?)化ロボットをとらえているのだが、 さっぱりその根拠がわからなかった。

あのロボットは SFやガンダム?(よく知らないので半疑問系)と 工学の成果ではないかと思う。

小説とスポーツぐらいの違いがあると思う。
スポーツ小説はあっても小説はスポーツではない。

太田垣康男「MOONLIGHT MILE(4)」小学館
おーもーしーれー。
家までがまんできなくてデニーで読んでしまった。
アクションの「一平」は死ぬほどつまらなかったけども、 どうしてこういう風に化けるのかな。漫画家って。

「ヒカルの碁」を描いている人が「サイボーグGさん」という 見るからにありがちな漫画を書いていたのが信じられないことや、 「め組の大吾」があんなに面白かったのに 「昴」が死ぬほどつまらないことなど、 漫画の世界は謎が多い。

「HAPPY」と「MONSTER」を同時に書いていた浦沢直樹に関しては、 あれは実は二人いるのだと思っている(もちろんFとA)。

ついでに、
「21世紀少年」はみんな勘違いしているようだけども、
あれは「ヤワラ」「HAPPY」系だろう。
関係ないか。
まあ文句なしに「MOONLIGHT MILE」面白いってことでひとつ

(追加: 2002/10/21)
で、もう一回読んで気がついたのだが、 今回の太陽放射線対策の緊急の船外活動で、 減圧作業は必要なかったのだろうか。
漫画なのでディティールにはあまりこだわらない質なのだが、 船外活動するための減圧作業のための時間は 前巻の物語の重要なキーとなっていたのに、 (体液が沸騰してしまうという話は?) 今回はまったく無視されているのが明らかに変ではないか。

明らかとか言いながら、
最初読んだときには気づかなかったのでOKか。

西原理恵子「サイバラ茸(2)」講談社
主に清水義範との共著からの漫画のみを集めた物。2巻目。 全部買っているのだが、漫画部分だけ読んでいたりするので、最初の 理科シリーズ以外はここに挙げられていない。 こんなのが出るんだったら買わなければよかった。

清水義範の文がなぜつまらないかというと「わかりやすく」説明している のではなく、単にスピードを下げて説明しているだけだからだ。

ロッキンオンに載っていたアサシン・ミッフィーのシリーズも全部 載っている。

西原理恵子の漫画が凄いのは、その放蕩やギャグだけではなく、 ときどき現れる鋭い洞察が類を見ないほど優れているからだ。

なお、2冊を通して読むと、自画像の変遷がわかって面白い。 最近の割烹着姿はOKなのだが、あの古代少女漫画のような(鉛筆を 横にササササと動かしたような)目はどうかと思う。

毎日新聞でついに子育て漫画連載らしい。

西原理恵子「サイバラ茸」講談社
文章家との共著が多い人だが、そんな本から 西原理恵子の漫画だけ取り出したもの。1800円。 主に「恨みシェラン」からで、「中島らもの明るい悩み相談室」の 挿入絵が初見だった。でも面白い。 おそらく中島らもの回答に勝っていたのではないか。

主に清水義範との共著から抜き出した2巻も出ている模様。 りえぞう漫画だけを目的に本を買っていた私からすると (編集会議は最近買わずに立ち読みになった) ちょっとショックだ。

できればあんまり江口寿史みたいなことはしないでほしい。

中島らも「心が雨漏りする日には」青春出版社
中島らもの鬱に関する自分の体験が書かれた本。面白い。
しかし、中島らもの場合はアル中とヤク中が入っているので、 普通のひとは鬱病と鬱状態の区別がつかないだろうから (神経症と鬱病と精神分裂病の区別だって怪しいものだ)、 幻覚の記述などが誤解を与えないか心配だ (高槻事件は躁状態の症状かもしれないが、 幻覚はアル中やコデインなどが原因だ)。

2001年の段階で彼が飲んでいた薬物のリストが載っているのだが、 凄すぎる。オチもあるのでその顛末は書けない。

プロ教師の会編「なぜ授業は壊れ、学力は低下するのか」洋泉社
現場の教師が作る会の教区現場シリーズ一巻目。

いろんな学校のいろんあ教師の現場報告・考察が読める。 難解な言葉でこねくり回しすぎで、バカみたいな文もあるが、 どうやら全体で一致しているのは、 児童・生徒というのは、場を用意すれば主体的に学ぶという 文部省なり教育問題好きの評論家・一般市民の考えとそれに基づく政策は、 根本的に間違っている、ということだ。 良い授業、わかりやすい授業、詰め込みでない授業をすれば、自然と 生徒は学び、学力は上がり、教室の秩序は維持されるというのは幻想で、 まず教師が苦労するのは学ぶ体勢に児童生徒を持っていくことだそうだ。

確かに。

授業の崩壊とか言うけれども、 児童・生徒というのは何年もやっているベテランというのは居ず、 つねに同じ年齢の人間がやっているわけで、 どうしてそんなに突然変わるんだろうかと謎だったけども、 少しわかった気がした。
最近の社会の学校そのものへの期待度が全く変わったせいなのだ。 みんな知ってることか。

学校をさぼりがちな生徒の方がバイトをして裕福な消費生活を 送りがち、あたりの話は、現場の教師でないとなかなか理解し得ない 状況で面白かった。

安達哲「バカ姉弟(1)」講談社
なんだこれは。

すごい面白いのだが、なんで面白いのか説明できない。
私の安達哲贔屓を差し引いたとしても、
新境地に達しているのではないか。
それとも単に流しているだけ?

何の説明もなく男女二人の姉弟の話が始まる。
間違えて2巻を買ったかと思ったくらい唐突だ。
女の子のおでこは安達哲作品に出てくるオデコ少女をさらに 磨き上げた感じだ。

どうやら2人はほぼいつも親が家にいないらしい。
だが近所や街の人は親切で、姉弟は礼儀正しい(が慎重だ)。
一巻読んでも、姉弟の背景がわからないところも多い。
説明的なコマもいっさい省かれている。

そんな日常の様子の漫画。
しかし、ぜんぜん良さを説明できていないな、これでは。

江口寿史「キャラ者(2)」ぴあ
おお、新刊じゃないか。 1巻ほどではないが、面白い。 ときにつまらない繰り返しや陳腐なネタがあったりするけども、 でもベスト版やお蔵出汁よりよっぽどましだ。 しかしわざとなのかわからないが、 あの江口寿史でさえ描いてないと、 絵って下手になるんだ。
井上雄彦「リアル(2)」集英社
車いすバスケを舞台にした、不思議な間がある漫画。
この人物造形のすごさはいったいなんだ。
次が楽しみ。
高橋秀実「からくり民主主義」草思社
これは面白い。

たとえば沖縄問題、諫早湾問題、上九一色村などの現場で取材した 内容をただ書いているだけなのだが、一般に知られている内容と 少しずつずれている(ものによっては大変ずれている)。

単行本には珍しい解説つきで、しかもそれは村上春樹が書いているのだが、 彼が言うところのそんな「弱ってしまった」状態を、ただただ、 わかりやすく書いている。
そして、読んでいるこちらも弱ってしまう。

たとえば、一丸となって「小さな親切運動」に取り組んだ学校では、 生徒が人に席を譲った回数が月に百件以上あることが書かれている。
ただ書かれている。
それはちょっと多くないか、いやしかし、と弱ってしまう。
その学校の生徒の話、
「席を譲るためにはまず席を取ることです」
いやしかしそれでは、
まあでも、と弱ってしまうのだ。

そんな微妙な日本の様子が満載の本で、
こんな微妙なおかしさを持った本は初めてだ。

面白かった。

エム・ハーガ「アポロってほんとうに月に行ったの?」朝日新聞社
著者名のギミックはバレバレだし、別に面白くもない。
つまらない本読んじゃったな。

なお、私はアポロは月には行ってなくて、 地球の内側に行ったと思ってる。 (要は興味がないらしい)

吉田戦車「殴るぞ(1)」小学館
スピリッツで読んでるのに買ってしまった。面白いなあ。
和歌子のが苦手。
ほったゆみ原作小畑健画「ヒカルの碁(19)」集英社
知らない間に大人になったヒカルくん。かっこいい。 面白いなあ。 (「HUNTER×HUNTER」は難しくて読むのをやめた)
「スキャンダル大戦争(2)」鹿砦社
深沢七郎の「風流夢譚」(千代田区のやんごとなき方々の処刑シーンがある)と 大江健三郎の「セブンティーン」(社会党浅沼稲次郎暗殺犯の少年がモデル) 載っていた。 どちらも大変な騒動の元になったもので、 読むことができなくなっていたものだが、 板坂剛が書いているように特によくできた小説というわけではないと思った。
村上春樹「海辺のカフカ(上)(下)」新潮社
久しぶりの長編。
最近はすっかり弱くなったので、 村上春樹の小説も、前半の日常とちょっとした事件だけを 延々と続けてくれないかなどと思う。
「ダンス・ダンス・ダンス」の前半だけとかね。
後半を読むのがつらいのだ。

しかしだったら前半だけの村上春樹を読むかというと、 読まないだろうな、きっと。
最近読むものすべてが「折り合いを付けて生きていくって難しいねえ」 と書いているような気がしている。んなこたぁない。
これもそうだった。

猫が話すのはどうかと思う。

さすがの村上春樹と言えど、 猫の見た目のスマートさや、飼い主のエスタブリッシュ度と、 その猫の性格描写を結びつけてしまっていて、 そこだけ信じられないほど凡庸だ。

大島さんやナカタさんはなんてことなかったのだが、

「田村カフカくん」と彼女は不機嫌な声で言う。「今何時だと思っているの? 明日の朝は早いんだよ、私は」

ううむ。
村上春樹の小説の登場人物(脇役に多し)の典型の一つなのですが。 苦手だ(この「苦手」は「弱い」と同じで、その「弱い」は「参りました。 なんでも言うことをききます」みたいな、そういう意味だ)。
なんてことを書いていて恥ずかしくないかと思われるかもしれないが
恥ずかしいに決まっているではないか。

「なにがあったのかは君自身にもわからない、 自分が今どこにいるのかもよくわからない。 説明すると長い話になる」と彼女はただ事実を確認するように言う、 「でもとにかくとても困っているのね?」
「とても困っている」と僕は言う。 ほんとうにとても困っていることが相手にうまく伝わればいいのだけれどと思う。

ううむ。
もっと活躍してほしかった。

田家秀樹「ジャパニーズポップスの巨人たち」TOKYO FM出版
巨人かもしれないが、とりたてて聴きたいとは思わない(好みではない) ミュージシャンばかりだが、けっこう好感を持って読んだ。

が、別にどうってことのないインタビュー集であった(だいなし)

聴きたくなったのは小田和正「個人主義」だけ。

大塚英志「『ほしのこえ』を聴け」徳間書店
DVDを見て、素人でも手に入れられる機器とソフトウェアで、 一人で作ったのは凄いことで尊敬するが、 内容は凡庸な叙情ものだ、 と書いたのだが、それを「聴け」「見れ」なんて言ってるタイトルに反発し、 興味本位で買ってみた。
大塚英志が最初にとにかく内容も含め絶賛しているので、 しょぼーんという気になる。 私には見る目がないのか、アニメよくわからないしな。と。

と思ったら最後の文章で、東浩記が「内容はたいしたことないじゃん」と 書いていて、ちょっと安心してしまったのが恥ずかしい。

途中の業界の人々の対談が、気持ち悪かった。

「モーニング娘。×つんく」ソニーマガジンズ
感動しました。TV見ないのだが、こうやって読むと少しわかってくる。
Noam Chomsky「ノーム・チョムスキー」リトル・モア
「9.11 アメリカに報復する資格はない!」と区別が よくわからないが、どうやら映画の内容が該当するようだ。 日本向けの発言もあり。
みうらじゅん・安斉肇・山田五郎・泉麻人「崖っぷちオヤジ」毎日新聞社
崖っぷちシリーズ最終巻。
飽きた。
メンバーは泉麻人を除いてかなりフェイバリットなのだが。
釜本雪生・くぼうちのぶゆき「テキストサイト大全」ソフトマジック
テキストサイトというのがよくわからなかったのですが、 ようやく少し状況が理解できた。 出てくるサイトでは「侍魂」くらいしか見たことがなかった (ちなみにどこが面白いかわからなかった)。 インタビューを読むが突然数十万単位で読者が増えていくなんて なかなか怖い状況だと思った。

この本で語られている内容は、
私が考えるインターネットと違う世界の話のようだ。
そしてそれは良いことだと思う。

なんか変なアニメ系のアイコンがついた対談みたいな章間のページ、
なにこれ?
わからない。

MAGNUM PHOTOGRAPHERS「NEW YORK SEPTEMBER 11」新潮社
これも忘れてたもの。 ビル崩壊後の様子は「童夢」や「AKIRA」みたいで、大友克洋すごいす。 予想と違ったのは粉塵のすごさ。
デニス・チョン「ベトナムの少女」文春文庫
これはすごい本だったので、しっかり感想を書こうとしてそのままになっていた。
ベトナム戦争の写真で、 子供たちがナパーム爆撃の黒煙の中から泣き叫びながら逃げてくる Nick Utのこの写真 は誰でも見たことのあるだろうと思うが、 (フィルム映像も見たことがある。 「NHKスペシャル 映像の世紀」 にも入っている) この裸で逃げてくる(ナパーム弾に体中焼かれた状態だった)少女 キム・フックの数奇な人生について書かれている。

ところで私は、 ベトナム戦争の映像に現れる子供たちは自分と歳がほぼ同じと気づいてから、 フィクション・ノンフィクション問わず、 ベトナム戦争を描いたものにはいつもそこの子供たちに 感情移入するようになってしまった。 この子はどうなったんだろう。今何をしているんだろう。 当時のことをどう思っているんだろう。と。

そういう気持ちに思いっきりストライクな内容だったので、もう。 この本によるとキム・フックは私より2歳年上(当時9歳)。 するとあの小さい子供たちが私と同じくらいか

。 この本、何がすごいかというと、あの爆撃に至るまでにかなり章を 割いている。彼女の祖母の世代から話が始まるのだ。 「9・11 N.Y.同時多発テロ事件衝撃の真実」 でも、最初の30分を割いて事件以前の消防署の様子が描かれているので、 その後の内容に深さが増したのと似ている。

誰が誰で、名前はなにで、どういう血縁関係で、どういう日々を 送っていたのか、までわかってあの逃げまどう映像を見ると、 やはり映像だけでは伝わらないことがたくさんあるのだと思う (こちらの感受性の問題かもしれない)

また、映画や通史ではわからない当時のベトナムの 米軍でもゲリラでもない 一般市民の様子の一端がわかる。 サイゴン陥落後の様子も。

キム・フックはあの爆撃のあと、文字通り生死を彷徨い、 なにしろ有名人なので、戦後は北ベトナムの広告塔となり、 医者になる勉強をしているという宣伝の裏では 実際はまったく学べず、その後キューバに留学し、結局 米国に亡命を果たす。今は子供を産んでいる。

現状の肯定と、語られていないこともありそうなことが気になったが、 wad's book reviewによると 「察してやれよ」だそうです。

ということで、
あの少女がこんな波瀾万丈な一生を送っていたなんて想像できなかった、
すごい本でした。

蛇足だが、

皮膚がはがれ落ちた乳飲子を抱えて、 道をまっすぐ逃げていく老婆の映像が同じときのものだとわかったが (老婆も子供もキム・フックの血縁者だ)、 なにかで、この老婆が一ドル札を手に持っていて、ヤラセなのだ (というかギャラを払ってポーズを取らせたのではないか) みたいなことを読んだ気がする(ゴー宣な気もする)。
この本ではその話にまったく触れられていないが、
私の勘違いだろうか

Anne Morelli「戦争プロパガンダ10の法則」草思社

1. われわれは戦争をしたくはない
2. しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
3. 敵の指導者は悪魔のような人間だ
4. われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う
5. われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる。
6. 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
7. われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
8. 芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
9. われわれの大義は神聖なものである
10. この正義に疑問を投げかけるものは裏切り者である

という法則が章になっている。面白い。
一つ一つ歴史を振り返れば納得のいく内容なんだけども、 私が実際に歴史の中にいたら、きっと思いっきり巻き込まれていると思う。
渦中にいたらとても自信がない、
といつも思う。

これ、ビジネス書とか人心掌握術とかに応用する本が出てきそう。
ちょっと言葉を置き換えるといろいろ使えそうだから。

Noam Chomsky「9.11 アメリカに報復する資格はない!」文藝春秋
これも書き忘れてた。なんでだろう。
生成文法のチョムスキーの事件後一ヶ月のインタビュー集。 タイトル通りの内容。

一言で言うと、「アメリカの外交政策は十分テロ国家の 条件を満たしているから、人のことは言えないよ」という話。

しかし日本でもベトナム反戦運動をやっていた人は多いはずなのに、 こうやって根気深くわかりやすく語っている人がいないのは (もしくは見えてこないのは) なんでだろう。
政治活動に走っていった人たちはともかく、 べ平連とかやってた人たちって何してるんだろう。

チョムスキーは映画になるそうです(音楽:忌野清志郎)

BURST増刊「PANTA暴走対談」コアマガジン
昔読んだのに書いてないのをいくつか見つけたので書く。
PANTAかっこいいけども
これだけ見るとただの物わかりいいおじさん
宮嶋茂樹原作・笠原倫画「不肖・宮嶋撮らずに死ねるか」白泉社
ついに不肖・宮嶋が漫画に。
不肖・宮嶋のいろいろな本からエピソードを抜き出して漫画化したもの。

しかしここまできても未だに不肖・宮嶋 (大倉乾吾も) 週刊文春グラビアの ロシアでかなりヤバい金正日スクープ写真を撮ったり、 日本各地の事件現場に行っているのが偉い。
報道の使命とか言わないところも本音で。
この漫画忍者・大倉カメラマンは本名じゃないのはなぜだろう。

ダ・ヴィンチ編「いよいよ最終回!」メディアファクトリー
ってずいぶん思い切った 「別冊宝島いきなり最終回」の パクリすねー。
と思ったら後書きによると同じ編集者による企画だそうだ。

別冊宝島のシリーズは、漫画第一世代(ジョーとか飛雄馬)を対象にしたものだが、 これは「サーキットの狼」「ドカベン」「ドーベルマン刑事」など、 1960年代生まれが読んだ漫画(「Dr.スランプ」「北斗の拳」より前)を 対象にしている。

ぴったりと当てはまるわけだが、 「ドーベルマン刑事」だけ最終回を覚えていた。
でもあんまり懐かし感が無い。

田島隆原作東風隆広画「カバチタレ!(11)」講談社
労働者権利問題を扱うのに、
受難のパート主婦と、 問題のあるスタンド店員の夫婦を扱っているのが 面白い。
山田貴敏「Dr.コトー診療所」小学館
孤島医療をテーマにしたは良いが孤島では話が持たなくなってしまったのか、 孤島の話が半分しかないがコトー先生はいい人なのでよし。
江口寿史「青少年のための江口寿史入門」角川書店
またベスト版だよ。COMIC CUEのコラボ漫画だけ新作。
でもやっぱ面白いな。
いしいひさいち「現代思想の遭難者たち」講談社
ハイデガーだのクーンだのレヴィ・ストロースだのをネタにした 現代思想全集の月報漫画。ネタ元が難しすぎだが (私の無知のため)一部だけ笑えた。

漫画の台詞より多い注釈がついているので、 現代思想の受け売り本に使えるかも。かも。

ずいぶん多い量の注釈だが執筆者が書いてない。


No.
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