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こういう能力が無い著者みたいな人間が戦場に派遣されてるものだから、 まともな取材というのがないのだな、とわかる。
とにかく、なに一つ能動的に動こうとしないんだよ、こいつ。
「からくり民主主義」で本領発揮されたあの
「弱り顔ジャーナリズム」(と私が勝手に命名)具合もいいです。
で、そういうメディアリテラシーについて書かれた本。
面白い。
神戸の校門圧死事件を取材したことについて少し触れられているが、 興味深かったので本を探してみる予定。 しかしこの方のメルマガが有料化したのだが、購読料が1万円/年だそうだ。 思いつき仕事でないのはわかるので、 雑誌の一年の購読料に近いので個人雑誌みたいなものか。 目に付いた本と雑誌で十分に思った。
「手塚治虫、藤子不二雄・本宮ひろし……漫画界の偉人達が田中圭一に憑依した!!(ような気が)。ここ数年命がけで書きためた、パロディワークの集大成!!(新ネタ含む) リスペクトとかオマージュとか、そういう都合のいい言葉をフルに活用した現代の奇書」
見た目は手塚治虫全集の装丁。帯には手塚るみ子の「訴えます」の手書き文字。
以前、ブラックジャックがおたくなゲームをやっている漫画があって、 すごい面白かったのだが、どうやらこの人らしいということで買った。 清水義範のパスティーシュ小説(ただし最初の頃のもののみ)を読んだときのような、 おもしろさだった。 肝心の、ブラックジャックが出てくるものがないな、と思っていたら、 カバーの裏にカラーで載っていた。
かなりのボリュームで、忙しいのもあって読み進めるのに時間がかかったが、 とても面白い。
これまでの天皇観、 (軍部の独走の中で単にシンボルにされたお飾りイメージ = 当時の米国から見たイメージ = 降伏後の象徴天皇制を維持するために 作られたイメージ) を覆し、昭和天皇とその側近が実力で、また何も言わないことで、 当時の政治政策に深く関与した様子が書かれている。
私は歴史が苦手で(だからこの内容を評価する力が無いので注意)、 昭和天皇(とその側近の天皇グループ)がこんなに アクティブに政治に関わっていたことを知らなかった。 ってなんでこれが外国人の手で書かれてオレが読んでいるのだ。 しかしもちろんこれらの記述の参考資料となっている天皇研究は ほぼすべて日本人の手によるものだから、知ってる人にとっては これらの内容は常識なんだろうか。
外国人が書いたからこそ私が (ピューリッツァー賞受賞という肩書きがあったからこそ)手に取った とも言える(この点が「敗北を抱きしめて」と似ているかもしれない)。
っていうか昭和天皇すげー。
よく戦後を生き抜いたものだ。 物心ついたときにはもう米ディズニーランドで手を叩いている じいさんのイメージで、あとは亡くなったときの回顧本で 少し読んだ程度のイメージしかないから、 (無知蒙昧だと怒るかたもいらっしゃるかもしれませんが、でもぉー、興味ないしぃー) こんなアクティブに戦前の権力闘争の中を生き抜いて、 政治に介入して、人事に介入して、軍を動かして(裁可して)、 一方で、自分の立場を堅守していたとは思わなかった。
下巻は太平洋戦争と、また違った形での戦後の天皇サバイバルが読めそうなので、 とても楽しみだ。
余談だが、
皇太后(個人的にはナギー(の恋)と呼んでいる(ちなみに紀宮はノリピー)(不謹慎))って
最近聞かないが、意外に危ないとか言われてたころから長生きしてるなと
思って、近況を見ようと
宮内庁ページ見たら、
すでに二年前亡くなっておりました。
やーぜんぜん知らなかった
(新聞とTVをまったく見ない)
すばらしい。
私が初めて読んだ松尾スズキの本は 「この日本人に学びたい」 だ。有名人をネタにしたエッセイなのだが、そのあまりの内容に、 それまで下関マグロやカンパニー松尾やリリー・フランキーと 区別がついていなかったのが、一冊でファンになった。 (後にその執拗で詳細でまた身も蓋もない脚注を書いていたのが 開国を迫るペリーFlashの宮崎吐夢だと知る)
以後、戯曲を除くほぼ全作をフォローしているのだが (佐々淳行のあさま山荘映画まで見ちゃったよ(人質の旦那役))、 これは大傑作ではないかと。
どのくらいファンかというと「SPA!」で辻仁成の連載が始まったので 気持ち悪くて買うのをやめようとしたときに、松尾スズキの連載が 始まって、それを思いとどまらせたくらいだ。現在、読むに絶えない 辻の連載は無事終わって平和なSPA!になっている。
「この日本人に〜」の中にZARDの項があって(私はZARDがよく わからない人間だ。ただのカラオケのうまい女の子と区別がつかない)、 この人のレースクィーンだかなにかをやっていたころの「お宝画像」ネタを 書いていて、なぜか途中から松尾スズキの妄想が入ってくるのだが、 その物語がチャカしているにもかかわらず、またずいぶんな感動物語に なっていて、あまりの才能に感服したことがある。エイホ、エイホ。
これは、同じ媒体(BUZZ)に連載された、エッセイではなく、 ZARDの回に特化したような小説集なのだ。 勝手な妄想からなっている同姓同名小説にもかかわらず、 おそらく本物よりも本物らしい物語が涙と笑いなしには読めない。
人気が出れば 長い越冬の物語が延々と続くが、ともすれば次巻の最後あたりには 終わって連載終了ということになるのだろうが、 ちょっとこれは いきなり反則技のエピソードが盛り込まれ今後が 怪しい。 いくらでもエピソードになりそうな越冬隊ネタを使って これですか、という感じだ。
たぶんもう買わない。
薬物系の描写は石丸元章などのリアルな描写に比べたら子供のお絵かきのようだ。 ただ、さすがひきこもり実践作家らしく、 ひきこもり心理、というか強迫神経症の描写はリアルだと思う。 しかしタイトルにしろ、帯の惹句にしろ、 内容とはかなり(全く)関係なく、ちょっとやな感じだった。
NHKは日本ひきこもり協会の略。