液化窒素のつくりかた
液体窒素は、断熱膨張で作ります
(断熱膨張:ジュールトムソン効果)
液体窒素の沸点は、78.4K(けるびん)
(= -273.15 + 77.33 = -195.82 C)
です。
で、どうやって作るかというと、
まず、
周囲を断熱した空間(断熱材または魔法瓶)の中に、
高圧縮の窒素(気体)を「ぴゅっ」と吹き出します。
(圧力は、10気圧くらいかそれ以上だったと思ったが..)
すると、
吹き出された空気は、急激に圧力が下がり、急激に温度が
下がるのです。
最初のウチは、この「低温」は、断熱空間の温度を下げる
のに使われるのですが、そのうち(数分〜数十分くらいで)
液化した窒素ができてきます
# 調子が良くなってくると、ジャバジャバできてきます
これを、ちゅーぶで魔法瓶のタンクに入れて保存するのです。
# この、魔法瓶、
# 昔は本当に中空(中は真空)の魔法瓶を使ったらしい
# のですが、最近では断熱材を使用したものでも、
# かなりよいものがあるようです。
カルノーサイクルは
「等温膨張」(温度を保存したまま)
「断熱膨張」(温度が下がる:T1)
「等温圧縮」(先の温度を保存したまま)
「断熱圧縮」(温度が上がる:T2)
(最初の圧力・体積状態に戻す)
を繰り返すもので、こうすると温度が下がるそうです。
この逆をやっても温度を下げられない
で、これは冷蔵庫のしくみです。
このカルノーサイクルのようなゆっくりとした現象では、
地上では液体窒素を作ることはムヅカシイでしょう。
# ただし、装置全体、または原料の気体窒素の温度を下げて
# おくのは使われているかもしれません。
学生の時、研究室の実験で液体窒素を大量に使ったので
製造器を何回か動かしたのです。(フィリップス製)
とはいっても、純粋な窒素ではなく、周囲の空気を原料
にしていたので、どの程度分離とか精製していたか?
(分離していたのかな?)知らないので...
というわけで、酸素の残留があったかもしれないのですが......
# 液体酸素の沸点:90Kくらい
ところで、この液体窒素の製造で、大敵は、「湿気」です
低温で霜とかになって凍り付いてしまうのです。
なので、窒素を液化する装置を使用する際には、
その前に、窒素を液化する「空間」に、温風をあてて、
充分に乾かしてから装置を動かします。
# 使う窒素(空気)もなるべく乾いていた方が望ましいでしょう..
さて、話はついで!
「液体ヘリウム」は、液体窒素で装置全体を冷やしておいて、
ヘリウム(気体)も温度を十分下げておいて、同じようにして
作ります。
L-He 4.21K
液体ヘリウムの保存は、2重の魔法瓶を使用します。
外側の器には液体窒素を充填して、
内側に液体ヘリウムを入れます
外側の液体窒素によって、外部からの輻射熱を
遮断してしまおうっていうものです。
# この魔法瓶って、もしかして4重っていうのかな?
# ちなみに、液体ヘリウムをくみ出すのに使用するパイプも
# (材質は、ガラスまたは金属製)
# 2重になっていて、外側に液体窒素を流して使うのです。
No.