2005/08/28: Movie -- Life Hacks/カナリア/リンダリンダリンダ
Life Hacksと呼ばれているものが、私には「おばあちゃんの知恵袋」と区別がつかない。「手帳の最初のページを毎日ひらくんでよ、しげるや。そこに一番大事な計画を書いておくのじゃよ」
逆に「おばあちゃんの知恵袋」をGRANDMA HACKSと呼ぶのはどうだろうか。 それにいったい何の意味が、と思ったら、その気持ちをLife Hacksという言葉にも是非。
映画「カナリア」を見た。 オウムの子供たちのその後をテーマにした映画で、オウム的なものに関する何かということで印象に残ったのは一カ所だけ。団体解散後の先鋭化するメンバと一般社会に戻ろうとするメンバの対話の部分だけだ。しかし、主役の少年少女の二人が良い役者さんで面白かった。児童保護施設を脱走した少年役の石田法嗣もシヴイが、それに同行することになる谷村美月演ずる少女が、西原理恵子の漫画に出てくる人生を悟った関西弁の少女みたいなキャラクターで、良いコンビだった。
甲田益也子が老けていてびっくり。なんとかインザプールの「なんとか」が思い出せない。 ちなみに主人公の少年は1990年生まれ。なんだそれ。 インタビューによると 「この作品に関わるまで事件のことは知りませんでした」ということで、驚くが、 私の年齢に換算すると、生まれて五年後の事件というと テルアビブ空港乱射事件になる。知らないなあそれは。
最後のZAZEN BOYSは良かった
映画「リンダリンダリンダ」も見た。 素晴らしかった。
バンド経験はあるが、学園祭の昂揚感なんて体験したことが無いのだが。しかし、 そういう何もなかったのにあった気になってしまう甘い日々 (広告批評のTV番組で橋本治が「ユーミン」と呼んでいた領域)を思い出させてくれる映画だ、すべての人に分け隔て無く。
学園祭で高校生がブルーハーツを演る、ひょんなことから韓国留学生がボーカルで、というそれだけの映画だ。全編に渡ってほとんど熱さが無いのだが、その淡々とした日々とブルーハーツの歌の熱さのギャップがリアルだった。これは監督の意図だと思う。無人の校舎の映像が逆にその場所の騒々しい時間の様子を喚起するように。
韓国人留学生役は2004/08/19に挙げた「子猫にお願い」に出ていたぺ・ドゥナだ。はてなキーワードのペ・ドゥナの項目、座右の銘のところは誤字なんじゃないだろうか。直したくても直せない。あだ名「女子高怪談等」ってなんだそれは。
前田亜季は歳を取って凡庸になったおかげで、却って身近にいそうな現実味のある美少女になっている。香椎由宇(読めない)は、暴力的な美しさで危険だ。私が高校生だったら恐くて近くにも寄れないと思う。抑制されたクールな演技がよくて、だから2箇所くらいある、リラックスした場面が大変生きている。そして、一人だけ本当にいそうなバンド少女だったのが関根史織という人だが、この人は本物のミュージシャンであった。へーへー。
脇役の湯川潮音と山崎優子が凄くて調べたら、こちらの二人も、タイプが違うが、本物のミュージシャンだった。
小説版の著者、脚本の向井康介という人を調べてみたら「鬼畜大宴会」(公式ページ)のスタッフだった人らしく、そこから、山下監督や脇役俳優など、みな「鬼畜大宴会」のスタッフだった人とわかる。鬼畜大宴会はDVDも出ていた。レビューが面白い。そんな史上最強に後味が悪い映画スタッフがこんなに後味ステキな映画を作るなんて。
オフィシャルブックなども読んでみた。↑あたりの事情も書かれていた。
Comments
すごいどっちつかずの音楽だった覚えがあります。出家してしまう信者役だったのですが、あのロボット感のせいでリアルでした。