[BFR]

Book Guide for Rusties 1998/11

[1993年] [1994年] [1995年] [1996年] [1997年] [1998年] [1999年] [2000年] [2001年] [2002年] [2003年] [2004年] [2005年] [2006年] [Book Guide for Rusties Index]
[1月] [2月] [3月] [4月] [5月] [6月] [7月] [8月] [9月] [10月] [11月] [12月]


A: 殿堂入り 5: とても面白い, 4: まあ面白い, 3: お好きに, 2: つまらん, 1: 金の無駄

11月

「ザ・ワールド・イズ・マイン(1)-(6)」
大傑作。破壊と殺戮にのめり込むモンちゃんとトシを軸にした 大迫力の物語、って感じか。死刑制度というのは一億分の一に 薄まっているのでうっかり忘れそうになるが、 殺人を禁じた国家を保つためのみんなの殺人で、つまり 「善悪ではなく体制・反体制だ」という警察本部長のせりふが真実なのだが、 ホントは。
なるべく忘れたふりをしているこういう危うさをテーマにしたたいへんすんごい 漫画であった。はやくつづきがよみたい。

「天空の蜂」
爆弾を乗せたヘリコプターを高速増殖炉の上に飛ばせるというテロの小説。 面白い。このままニコラス・ケイジ主演でハリウッド映画になりそうだ。 そういう面白さ。刑事がかっくいい。このへんハリウッドものには地味すぎるか。 高速増殖炉と聞くとタービンがぐるぐる高速に回ってるのを思い浮かべる私 であった。

「機長の一万日」
つまらん。そして文章稚拙すぎる。たとえば「ハイジャック対策」という章の最初の文。

私たち乗員にとって、飛行機事故も恐いが、それと同様に絶対に出会いたくない のがハイジャックである。お客さまは大事にしなくてはならないが,ハイジャック犯に だけは乗ってほしくない。そのハイジャック犯が、お客さまにまぎれ込んで来る わけだから、困ったものである。おかげで前述のようなトラブルが生じるわけだ。
一度も読みなおさなかったんじゃねーの? おれのこのページの文章(は書き捨てかつ推敲なし)じゃないんだから。 続編など欲を出さず、飛行機を運転しているように。

「五体不満足」
タイトルが目に入り、あ、すげーやと思いつつ手に取り、 表紙(これ)にたまげて 興味本位で買う。タイトルと表紙写真だけでよかったのに、 弱気になって帯を付けた感じだ。いらないぞこの帯。 現在大学生の生まれつき手足がない著者のこれまでを綴った本。 ホーキング青山と同じ病気かな。彼は手があったっけ? 内容はうっかりすると、本にするほどの出来事でもないじゃん、 と思わせるあたりが著者のねらいだろう。 恵まれた環境もあると思うが(それが偶然だったのか、 そういう風に招いていけたのかはこの本を読んだだけではわからん)。
早稲田政経の学生にしては文章が幼稚だが、年少の読者も 考慮に入れてのことかも(ふりがなも全部ついてるし)。

「マンガ狂い咲き」
なんでマンガ家のインタビュー集を買ってしまうのだろう。 面白いのだ。メンバーがちょっと違って面白い。
しかし笑ったのは巻末だ。 「ブブカブックス発刊に際して」という一文があるのだが、 老舗の文庫じゃあるまいしなにを偉そうーに、と思って読んだら 大爆笑してしまった。本屋で見かけたらぜひ 角川文庫の巻末にある発刊の言葉と比べてほしい。 「本の雑誌」の熊さんネタになりそうだ。 これBUBKA BOOKSシリーズ全部につけるつもりかな。

「ねこぢるまんじゅう」
ねこぢるな二匹がおかあさんを探すストーリ。 このかなりきつい毒と心温まる部分の混ざり具合が天才。 安らかに眠れ。

「イタリア車火焔地獄」
フェラーリを買った人のお話。文章もかなり笑えて面白い。 ちょっとした修理でカローラII3台分くらいの金がかかるのだが、 麻痺しているので、安いかーと思っているあたりがリアルでいい。

「ドウブツマンガ」
泣いた。しりあがり寿は天才だ。いやまじで。あとがきの木元さんってあの木元 さんだろうか?

「ののちゃん」
ワールドカップのころのが面白い。

「プリズンホテル(2)」
なぜかコンビニにあるのだこれ。 ヤクザが経営するホテルの人々をオムニバス(ってどういう意味か本当は知らないが)的に つづった1巻の人たちがあれやこれや関わっていく。まだわからん。

「北斎あやし絵帖」
森雅裕の時代物。北斎を主人公にしたミステリ。いつもよりハードで ちょっと読みにくかった。江戸弁(?)のせいもあるかも。

「卒業式はマリファナの花束を抱いて」
つまらん。文学新人賞ってこの程度でも取れるのか。大丈夫か。

「暗殺の瞬間」
写真集とかいいながら絵みたいなのもある。

「贅沢貧乏のマリア」
ふつうの群ようこのエッセイみたいだが、すっと 森鴎(x)外の娘、森茉莉の一生の話題に入るあたりさすが。 どうも漱石も鴎外も(啄木も)谷口ジローの絵が頭に浮かんじゃって。

「ガダラの豚(1)-(3)」
↓を読んだら中島らもが読みたくなる。すでにこの本は兄に借りて読んでいたが、 文庫を再読。やはり二度目でも面白い。傑作。

「エキゾティカ」
アジア各国をテーマにした短編。いろんな味があって面白い。

「何の為のニュース」
オバタカズユキってむかし「ディベート」で優勝した人? 本を読むのははじめて。内容が分散していて流し読みになってしまった。 主に整形外科の待合室で読む。

「訂正人語おわびスペシャル」
「噂の真相」に毎月載っているの各雑誌新聞の 「おわび」をまとめたものを、まとめたもの(ややこしい)。 いっぱいまちがいがあるのだな、と楽しめる。 妙に腰が低いのとか、力関係が見えたり。

「黄金を抱いて翔べ」
銀行強盗はやってみたい犯罪のひとつだ。ちょっと高村薫にしては まとまりがないと思う。

「続続星降る夜のパソコン情話 On The Move II」
中村正三郎のInternetでも読める話をまとめたもの。これも リアルタイムで読んでるしなーと思ってたが、スタックの上の 方にあって読む。電脳騒乱節初期のころからのファンなのだ。

「インターネットはグローバル・ブレイン」
腰痛で寝ていなくてはいけなくて、立てないから本を買いにいけなくて、 なんかスタックの近いところにあったので、買ってずいぶんたつが読む。 素人向けにはいい入門になっている。後半の対談メンバがなかなか。 そのことを知識として持つのではなく、 何を調べればよいか、もしくは誰が知っているか、どこに情報があるか、 ということを知っていることを私は「ポインタを持っている」などと 言っているが、ビジネス屋さん(ってなに)では「know who index」と言われて 重要視されるようになったそうだ。ふーん。

「SFバカ本たわし篇プラス」
つまらん。編者が最後に絶賛しているのを見て呆れる。 これが日本の「SF」の第一線の人たちというのだからまったく。
自分も今まで縁がなかった 「本を買って読む」という行為に手を染めたのは、 角川文庫の小松左京、眉村卓、筒井康隆からだったので、 意図はよくわかる。わかるがなー。これに金を出すんだったらおれは 中古PSソフトでも買ったほうがいい。

「電脳なをさん(2)」
Macギャグが素敵。

「カイジ(3)-(8)」
いろんなところで絶賛されていたが買わなかった。 Oくんお勧め(高いテンションの持続がすごいとのこと)だったので買ってみるが、 いまいちノれなかった。

「おごってジャンケン隊(1)」
スピリッツで人気だそうだが、つまらん。 サイバラりえぞうと土田世紀のマンガ読みたくて買う。 なぜこれがつまらないかというと、演技を感じるからか。 ツッコミの冗談のあとフォローをいれたり、 りえぞう先生の足元にもおよばん。


No.
Book Guide for Rusties suchi Home Page